みなさん、こんにちは。今日は、観終わったあとに深く考え込まずにはいられない、ある一人の青年の物語をご紹介します。主演のアンドリュー・ガーフィールドが、まだあどけなさを残しながらも、消せない過去に怯える繊細な演技を見せてくれる名作です。
1. 基本情報
公開年:2008年
評価:7.1
ジャンル:クライム、ドラマ
監督:ジョン・クローリー
出演:アンドリュー・ガーフィールド、ピーター・マラン ほか
2. あらすじ
幼い頃に凄惨な殺人事件を起こし、長らく少年院に収容されていた「Boy A」ことエリック。刑期を終えた彼は、「ジャック・バリッジ」という新しい名前と身分を与えられ、更生保護官のテリーに見守られながら社会復帰を果たします。運送会社での仕事も見つけ、同僚のミシェルとも恋に落ち、平凡で幸せな「普通の生活」を手に入れようと懸命に生きるジャック。しかし、ある日彼が交通事故の現場で一人の少女を救ったことから、皮肉にも「名もなきヒーロー」として注目を浴びてしまいます。その有名税は、彼が必死に隠し続けてきた凄惨な過去を暴き出そうとするメディアの追及を招くことになり……。

3. 映画レビュー
この映画を観て、私は「赦し」とは一体何なのだろうと、しばらく動けなくなってしまいました。ジャックが過去に犯した罪は、決して許されるものではありません。でも、刑期を終え、心から反省し、新しい人生を歩もうとする彼に、社会は二度目のチャンスを与えるべきなのか。それとも、一度「怪物」となった人間は一生そのレッテルを背負い続けなければならないのか。その葛藤が、ジャックの震えるような瞳を通して痛いほど伝わってきます。
特に印象的だったのは、メディアの残酷さです。善行をきっかけに正体が暴かれていく過程は、現代のSNS社会にも通じる恐怖を感じました。以前紹介した『Nightcrawler(ナイトクローラー)』でも描かれていた「視聴者が求める刺激」のためにプライバシーを剥ぎ取るマスコミの姿は、この作品でも非常に冷徹に描かれています。
また、正体を隠して生きる苦しみという点では、『リプリー』のようなサスペンスフルな緊張感もありますが、本作はもっと内省的で、誰にも言えない秘密を抱える孤独が強調されています。誰かと心を通わせたい、でも本当の自分を知られたら全てが終わってしまう。そんなジャックの孤独は、まるで『ふれる。』で描かれたような、言葉にできない心の距離感や秘密の重みを感じさせます。
ネット上の口コミでも「アンドリュー・ガーフィールドの出世作にふさわしい傑作」「涙が止まらない」といった声が多く、彼のナイーブな魅力が爆発しています。重いテーマではありますが、一人の人間の再生と、それを阻む社会の壁について考えたい時に、ぜひ手に取ってほしい一本です。ラストシーンの余韻を、ぜひあなたも体験してください。


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