『High Anxiety』高所恐怖症の精神科医、狂気の病院で大ピンチ!?

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今回は、コメディの巨匠メル・ブルックスがアルフレッド・ヒッチコック監督の作品群に捧げた、愛情たっぷりのパロディ映画をご紹介します。それが1977年公開の『High Anxiety』です。

1. 基本情報

本作は、ヒッチコック作品の代名詞であるサスペンスと、メル・ブルックス特有のドタバタコメディが見事に融合した異色作です。ヒッチコック監督自身がこの映画を絶賛したという逸話も残っているほど、オマージュの質が高いのが特徴です。

  • タイトル: High Anxiety(不安のサイコ)
  • 公開年: 1977年
  • ジャンル: コメディ、ミステリー、スリラー
  • 監督: メル・ブルックス
  • 主演: メル・ブルックス(リチャード・ソーントン博士役)
  • 評価: 6.5/10.0 (Filmarks/IMDbなど参照)

ちなみに、この映画のタイトルにもなっている「High Anxiety」は、文字通り「高い不安」という意味で、主人公が抱える高所恐怖症(アクロフォビア)と、物語全体を覆う陰謀による極度の緊張感を指しています。


2. あらすじ

著名な精神科医であるリチャード・ソーントン博士(メル・ブルックス)は、カリフォルニアにある精神病院「不安神経症研究所」の新しい院長として赴任します。

しかし、ソーントン博士自身が重度の高所恐怖症(アクロフォビア)を抱えているという、精神科医としては致命的な弱点を持っていました。彼は、高い場所だけでなく、高い音にも過敏に反応してしまうほど。

病院に到着すると、ソーントン博士はすぐに異変を感じます。前任の院長は不可解な死を遂げており、病院を牛耳っているのは、患者を抑圧的に扱うドクター・モントと、冷酷非情なナース・ディーゼルでした。彼らは患者たちを秘密裏に支配し、病院の奥深くで何かを企んでいるようです。

ソーントン博士は、病院にいる美しい女性医師や患者たちと協力しながら、この狂気に満ちた病院の謎を解き明かそうとしますが、次々と陰謀の罠にはまり、殺人犯の濡れ衣を着せられてしまいます。

追われる身となった博士は、自身の高所恐怖症という最大の弱点を克服し、病院に隠された恐ろしい秘密を暴き、真の「不安」から解放されることができるのでしょうか?

ヒッチコックの『めまい』や『サイコ』、『鳥』など、名作へのオマージュシーンが随所に散りばめられており、映画ファンなら思わずニヤリとしてしまうこと間違いなしです。

High Anxietyのポスター画像

3. 映画レビュー

ヒッチコック愛が詰まった、極上のパロディ

『High Anxiety』は、単なるパロディ映画として片付けられない、一つの完成されたミステリーコメディです。メル・ブルックスは、ヒッチコック監督の「サスペンスの文法」を完全に理解した上で、それをどう崩し、笑いに変えるかを知り尽くしています。

特に、高所恐怖症の主人公が、階段を上るたびにカメラがぐらつき、不安定な足元を強調する演出は、『めまい』の有名なショットを滑稽に再現しており、最高に笑えます。シリアスな状況なのに、主人公が情けない歌を歌い出すシーンなんて、シリアスさとのギャップで腹筋崩壊ものです。

この映画の魅力は、不安や恐怖を笑いに変える力にあると思います。私たちが日常で感じる不安(Anxiety)は、時に深刻な問題(クチコミ情報にもあるように、不安障害や抑うつと関連付けられることもあります)ですが、映画の中では、それが滑稽な状況を生み出すトリガーになっています。

観客は、主人公の不安を共有しながらも、その不安が引き起こすドタバタ劇に安心して笑うことができます。これは、私たちが日頃ストレスフルなエンターテイメントを好む理由(高まる緊張感を安全な場所で楽しむ)にも通じるのではないでしょうか。

狂気の病院と、予想外の展開

舞台となる「不安神経症研究所」のスタッフが、患者以上に狂っているという設定もたまりません。厳格なナース・ディーゼルと、その相棒のドクター・モントは、ヒッチコックの悪役たちを彷彿とさせますが、どこか抜けていて憎めない。

物語は、密室の殺人事件、濡れ衣、追跡劇と、ミステリーの王道を辿りますが、その合間に挟まれるギャグが緩急を生み出しています。先の読めない展開が好きなら、ぜひ見てほしい作品です。

シリアスなミステリーでありながら、ユーモアも忘れない映画がお好きな方には、以前ご紹介した密室サスペンス『The Invisible Guest』や、殺人事件をコメディタッチで描いた『毒薬と老嬢』もおすすめです。

『High Anxiety』は、ヒッチコック作品を見たことがない人でも十分楽しめますが、もし事前に『めまい』や『サイコ』を見ておくと、笑いの深みが倍増すること間違いなしです!ぜひ、この傑作パロディで、あなたの不安を笑い飛ばしてくださいね。

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