あらすじ
ハロウィンの夜、レンタルビデオ店で働くさえない青年スタン・ヘルシング。彼は元カノ、親友、そしてダンサーの美女と共に、友人主催の盛大なパーティーへ向かう途中、不気味な町「ストーミー・ナイト」に迷い込んでしまいます。そこは、フレイディ、ジェイソン、レザーフェイス、ピンヘッド、チャッキー、マイケル・マイヤーズといった、誰もが知るホラー映画の悪役たちが”本物”として存在する呪われた場所でした。次々と襲い来るモンスターたちによって絶体絶命のピンチに陥ったスタンは、ひょんなことから自分が伝説のモンスターハンター、ヴァン・ヘルシングの子孫であることを知らされます。果たしてスタンは、先祖から受け継いだ力(?)を覚醒させ、町と友人たちを救うことができるのでしょうか。

映画レビュー
本作『Stan Helsing』は、ホラー映画への愛とリスペクトを込めて、徹底的にパロディに徹したおバカコメディです。『最終絶叫計画』シリーズなどが好きな方なら、間違いなく楽しめる一作と言えるでしょう。ホラー映画ファンであればあるほど、元ネタが分かってニヤリとできるシーンが満載です。
この映画の魅力は、なんといってもそのくだらなさ。シリアスな雰囲気は皆無で、次から次へと繰り出される下ネタやブラックジョーク、そして有名ホラーシーンのパロディに、ただただ笑うしかありません。頭を空っぽにして、何も考えずに楽しめる作品を求めているときにぴったりです。
登場するモンスターたちは、見た目こそオリジナルに忠実ですが、その中身は完全に別物。威厳も恐怖もかなぐり捨て、カラオケで熱唱したり、しょうもないことで言い争ったりと、人間味(?)あふれる姿を見せてくれます。このギャップこそが、本作最大の笑いのポイントです。古き良きローマの街を守ろうとする愛すべき幽霊たちを描いた『Ghosts of Rome』とは対照的に、本作ではホラー界のビッグスターたちが全力でボケ倒す姿を楽しめます。
もちろん、その突き抜けたおバカさゆえに、人を選ぶ映画であることは間違いありません。しかし、B級コメディやパロディ映画が大好きで、友人たちとツッコミを入れながら観たいという方には、最高のパーティー映画となるでしょう。ハロウィンの夜に鑑賞する映画としても非常におすすめです。


コメント