1. 基本情報
今回ご紹介するのは、1915年に公開されたスリラー映画『The Leap from the Water Tower』です。タイトル通り「水塔からの跳躍」という衝撃的なクライマックスを予感させる、100年以上前の作品ですが、その緊迫感は現代の私たちにも十分に伝わってきます。
- タイトル: The Leap from the Water Tower
- 公開年: 1915年
- ジャンル: Thriller(スリラー)
- 評価: 0.0(※公開当時の評価ではありません)
この映画が公開された1915年といえば、映画技術がまだ発展途上の時代です。そんな中で、列車を使った大がかりなアクションと人間ドラマを描き切ったことは、当時の制作陣の熱意を感じさせます。

2. あらすじ
物語の主人公は、復讐心に燃える元火夫のランド。彼は、自分を解雇した会社への恨みから、恐ろしい計画を実行に移します。それは、大型貨物機関車のエアブレーキに細工を施し、翌日、パインヒル山頂からローンポイントへと続く長い下り坂で、ブレーキが全く効かなくなるようにすることでした。
翌日、計画通り暴走を始めた貨物列車は、乗員や沿線の住民を大パニックに陥れます。この予測不能な危機を止めるため、人々は必死に対策を講じますが、時速を上げていく列車を止める手段は限られています。そして、物語の鍵を握るのが、タイトルにもある「水塔」です。
ランドの悪意によって引き起こされた大惨事を前に、誰が、どのようにして、この暴走を止め、人々の命を救うのか?手に汗握るスリリングな展開が待ち受けます。
3. 映画レビュー
1915年のサイレント映画でありながら、本作が持つ緊張感は驚くほど高いです。特に、暴走する列車が刻一刻と危険な状況に近づいていく描写は、現代のアクション映画にも通じるリアリティがあります。セリフがない分、映像のリズムや役者の表情、そして何より「音」のない中で聞こえてくるはずの轟音が、観客の想像力を掻き立てます。
この時代の映画は、大掛かりなセットやスタントが実際に命がけで行われていたことが多く、この『The Leap from the Water Tower』のクライマックス、すなわち水塔からの決死の「跳躍」も、当時の観客にとってはとてつもない興奮と衝撃を与えたことでしょう。水塔や高所からの落下、水にまつわる危機感は、今でも人々の関心を集めるテーマです(最近でも、水塔に人が登って街全体がボイルウォーターアドバイザリになったというニュースもありましたね)。この映画は、まさにその「命の危険」を映像化した初期の傑作と言えるかもしれません。
また、物語の根幹にあるのは、解雇された男の「復讐」です。怒りや恨みといった強い感情が、多くの人々を巻き込む大惨事を引き起こすという構造は、普遍的なスリラーのテーマです。復讐劇という点では、以前レビューした『Last Stop』にも通じるものがあります。人間の持つ負の感情が、いかに予測不能な悲劇を招くか、ぜひ見比べてみるのも面白いかもしれません。
古い映画ですが、初期スリラーの原点として、一見の価値ありです。もし鑑賞機会があれば、100年前の「興奮」をぜひ体験してみてください!


コメント