基本情報
公開年: 2011年
ジャンル: ドラマ, ロマンス, 戦争
評価: 6.5
あらすじ
舞台は第二次世界大戦前夜のオランダ。スリナムからやってきた若く誠実な黒人青年ヴァルデマールは、下宿先で4人の子供を持つ年上のオランダ人女性リカと出会います。肌の色も、育ってきた環境も、年齢も全く違う二人でしたが、互いの純粋な心に惹かれ合い、やがて恋に落ちます。
しかし、当時の社会は彼らの愛に冷ややかでした。人種差別的な偏見や周囲からの反対に晒されながらも、二人は愛を貫き、新しい命を授かります。彼らの間に生まれた息子は「ソニーボーイ」と名付けられ、ささやかながらも幸せな家庭を築いていくかに見えました。しかし、時代は第二次世界大戦へと突入。ナチス・ドイツの占領下で、彼らの運命は過酷な渦に巻き込まれていきます。

映画レビュー
こんにちは!今回は、実話をもとにした感動的な愛の物語『Sonny Boy』を紹介します。いやー、これは胸が締め付けられますね…。ただのラブストーリーじゃなくて、人種差別や戦争という重いテーマを真正面から描いた、骨太な人間ドラマでした。
まず、主人公二人の愛の形が本当に美しい。ヴァルデマールの一途な誠実さと、リカの母親としての強さ。社会全体が敵になっても、お互いを信じ、支え合う姿には心を打たれずにはいられません。特に、二人が世間の目に負けずに自分たちの家族を守ろうとするシーンは、涙なしでは見られませんでした。
物語の後半、戦争が始まってからの展開は本当に息をのみます。ナチスの迫害がユダヤ人だけでなく、彼らのような「普通じゃない」と見なされた人々にも及んでいく様子がリアルに描かれていて、平和な日常がいかに脆く、簡単に壊されてしまうのかを痛感させられました。戦争という極限状況下での人間ドラマといえば、以前紹介した『Fort Buchanan』も独特の視点で描かれていましたが、本作はより直接的に時代の残酷さを突きつけてきます。
この映画は、愛の力だけでなく、人間の尊厳について深く考えさせてくれる作品です。どんな逆境にあっても、愛する人を守り、人間らしく生きようとした家族がいたという事実を、ぜひ多くの人に知ってもらいたいなと思います。歴史ドラマや、心揺さぶる感動的な物語が好きな方には絶対におすすめの一本です!


コメント