基本情報
公開年: 2001年
ジャンル: コメディ, スリラー
あらすじ
舞台はマドリード。主人公のアスは、横柄で退屈な夫フィリップのおかげで裕福な暮らしを送っていました。しかし、その裏では夫のお金を家族への仕送りに使い、さらには愛人パブロへのプレゼント代にも充てる二重生活を送っていたのです。完璧に見えた彼女の日常は、ある出来事をきっかけに少しずつ崩壊し始め、予測不可能な事態へと発展していきます…。

映画レビュー
「主婦」と「殺人」って、なんだか結びつかないようでいて、妙にゾクゾクする組み合わせですよね。今回は、そんな危険な香りがプンプンする映画『Killer Housewives』を紹介します。
この映画、ジャンルはコメディ・スリラー。まさにその通りの作品で、ドロドロした不倫やお金の問題を扱いながらも、どこかカラッとしたユーモアが漂っているのが特徴です。主人公のアスは、決して聖人君子なんかじゃありません。むしろ、自分の欲望に忠実で、ちょっとズル賢い。でも、そんな彼女が追い詰められていく様子を見ていると、なぜか「頑張れ!」って応援したくなってしまう不思議な魅力があるんです。
豪華な生活の裏で、愛人との情事に溺れ、家族のために夫のお金を使い込む…。そのスリリングな日常が、次々と起こるトラブルでどんどんカオスになっていく展開は、ジェットコースターみたいで目が離せませんでした。一見楽園に見える場所が、実は悪夢の入り口だった…という展開は、以前紹介した『Eden』にも通じるものがありますね。
私が特に面白いと感じたのは、シリアスなはずのシーンでクスッと笑えるブラックユーモアのさじ加減です。追い詰められた人間が見せる滑稽さや、予想外の行動が絶妙なスパイスになっていて、最後まで飽きさせません。ド派手なアクションや難解なトリックがあるわけではないですが、人間の欲望が引き起こすサスペンスとして、とても楽しめる一作でした。
ちょっと刺激的な映画が観たい気分の時や、スペイン映画特有の情熱的な雰囲気が好きな方には特におすすめです。完璧な主婦が、いかにして「Killer Housewive」になっていくのか、ぜひ見届けてみてください。


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